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【純愛?】HOWEVER(GLAY)を独自に解釈|レビュー

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HOWEVERを独自に解釈・レビュー
Blanc
Blanc

こんにちは、15年来のGLAYファンのBlancです。

今回、結婚式などでもよく使われるGLAYの定番楽曲、HOWEVERの独自解釈を紹介します。

個人の解釈なので公式のものとは異なるところがあるかと思いますのでその前提で読んでみてください。

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HOWEVERは純粋なラブソングではない

結婚式の定番とか言っときながらなんですが、僕の結論として、HOWEVERは純粋なラブソングではないです。

人によってはそれが純愛だという人も居るかも知れないですが…。

HOWEVER|1番

まずは、一番から解説していきます

イントロ~Aメロ

HOWEVERのイントロは、印象的なピアノから入ります。

サビをなぞらえたメロディラインですね。

やわらかな風が吹くこの場所で
今二人ゆっくりと歩き出す

この叙事詩から歌詞がスタートします。

何となく穏やかな雰囲気で歩み始めるという歌詞ですね。ここでは“今”というワードが重要になってきます。

Aメロの直前までは畳み掛けるようなギターのフレーズが入ります。

ある種ギターソロの一部であっても遜色がないくらいに目立つフレーズです。

これが場面の転換を表します。

Aメロ〜サビ前

Aメロに入ると突然レゲエのリズムに変わります。

しかしレゲエ調の曲でありがちな裏のカッティング(裏拍で入れるギターのカッティング)はなく、レゲエのリズムはどこか片隅に追いやられている感があります。

本来ノリが良いレゲエのリズムを片隅に追いやることで、主人公の不安定さが表現されています。

曲の冒頭は主人公の今を語っていましたが、ここでは過去の回想が始まります。

幾千の出会い別れ全て
この地球で生まれて
すれ違うだけの人もいたね
わかり合えないままに
慣れない街の届かぬ夢に 迷いそうな時にも
暗闇を駆けぬける勇気を くれたのはあなたでした Fu…

地球規模の話→街規模の話→あなたの話

このように話の規模が段々と個人的なものになってきます。

慣れない街〜、は上京したての頃の主人公の心情ですね。

そんなときでも一緒にいてくれた“あなた”に向けたメッセージが始まります。

ちなみにHOWEVERでの”あなた”は、主人公の地元にいる恋人です。

“勇気をくれた”と過去形になっていることから、今は心機一転、力強く走っている主人公は想像できます。

Aメロの終わりにドラムロールが入り、暗闇を抜けた演出がされます。

サビ(1回目)

サビは日本人に耳馴染みのあるカノンコードをベースに展開していきます。

リズムもレゲエからシンプルな8ビートに変わり、壮大なサビを演出しています。

90年代は小室哲哉を中心にサビで転調する進行が定番でしたが、HOWEVERでは転調せずにガラッと雰囲気を変えています。

ストリングスも入り、荘厳な雰囲気を醸し出しています。

サビではボーカルの高低差が激しくなっております、これをTERUはミックスボイスで見事に歌い上げています。

絶え間なく注ぐ愛の名を
永遠と呼ぶ事ができたなら
言葉では伝える事が
どうしてもできなかった
愛しさの意味を知る

有名なサビですね。

語感は良いですが日本語としてはすんなり理解しづらい、TAKURO節が出ている歌詞です。

主語を補足すると

主人公が“あなた”に注ぐ、弛まぬ愛を永遠と呼ぶことができたなら。

となります。この歌詞を理解するヒントはTAKUROの著作“胸壊”にあります。

永遠なんてない。
幼い頃、僕はそのことに気づいた。
絶望したわけではない。
むしろそのことに気づいてから、
楽に生きられるようになった。
自分の手の中にある幸せを、
永遠に続かせたいと願うから、人は不幸になるのだろう。
どんな幸せも、永遠には続かない。
でも、だからこそ、僕は今この幸せを抱きしめる。

胸壊/TAKURO より

胸壊の冒頭でこのように綴っています。

つまり、HOWEVERで語る“永遠”というのは何にも替えがたい、得難いものの比喩と捉えられます。

あなたに注ぐ愛がかけがえの無いものとなったら。

そう歌っているわけですね。

あれ?と思いませんか。

Aメロのところで、主人公の回想であることは説明しました。

そうすると過去を振り返りながら、“もしあなたへの愛がかけがえの無いものだったらなぁ”と言ってるわけですね。

そう回想した上で“愛しさの意味を知る”という現在形の表現に戻ります。

あなたを幸せにしたい…
胸に宿る未来図を
悲しみの涙に濡らさぬ様
紡ぎ合い生きてる

サビはこのストレートなフレーズで幕を下ろします。

時系列は“今”です。今主人公は“あなた”と生きてる状態です。

サビでは、“永遠”が叶わなかったことを歌い、最後には“悲しみの涙に濡らさぬよう”というどこか昏いフレーズが登場します。

この暗さの原因は何なのでしょうか?

その答えが2番にあります。

HOWEVER2番

1番のサビが終わったあと、ベースの音を印象的に使い、場面の切り替えが入ります。

Aメロ

2番のAメロも1番と同様にレゲエのリズムになります。

バックの映像はほぼ変わらないので歌詞に注目します。

また主人公の過去の回想が始まります。

愛の始まりに心戸惑い 背を向けた夏の午後

いきなりこのフレーズです。

主人公と“あなた”が愛しあいはじめた頃の回想ですね。
主人公は“あなた”に背を向けてしまいます。

背を向けるというのは“浮気をした”という理解で大丈夫です。

なぜそうなったかは“心戸惑い”に集約され、詳しくは語られません。

今思えば頼りなく揺れてた 若すぎた日々の罪

結局若さゆえの過ちだったと、正当化します。
頼りなく揺れてた=気持ちが浮ついていた、ということですね。

それでもどんなに離れていても あなたを感じてるよ 今度戻ったら一緒に暮らそう やっぱり二人がいいね いつも

そんなこともあったけど、やっぱり“あなた”と一緒に居たいと感じた、ということです。今度地元に戻ったら一緒に暮らしたいという思いです。

なんか自分勝手な気もしますね。

Bメロ

ライブバージョンでは、TERUが語尾を長くとることが多い、Bメロです。

孤独を背負う人々の群れにたたずんでいた
心寄せる場所を探してた

少し主人公の過去の回想に戻ります。

東京の人ごみのイメージですね。
強い孤独を感じている中で心寄せる場所を探してから浮気した。

結局これも過去の過ちを正当化し、自分に言い聞かせるフレーズです。

Cメロ

主人公の回想は続きます。

「出会うのが遅すぎたね」と
泣き出した夜もある
二人の遠まわりさえ 一片の人生
傷つけたあなたに今告げよう
誰よりも 愛してると…

2人で電話しながら、「出会うのが遅すぎた」=もっと早く出会ってれば、一緒に東京や地元にいれたかもしれない、物理的に一緒に入れる時間も多かったかもしれない、と悲しみに暮れる夜の回想です。

まぁ一緒に居れたら浮気しなかったかも、というのもあります。

そして浮気もあって傷つけたけど今は誰よりも愛してる、となります。

サビ(2回目)

最後のサビになります。同じフレーズをうたっているのに、ここで解釈が変化します。

絶え間なく注ぐ愛の名を
永遠と呼ぶ事ができたなら
言葉では伝える事が どうしてもできなかった
優しさの意味を知る

このラストのサビで主人公はやっと、絶え間ない愛を永遠と呼ぶことができたということです。

1番のサビでは、”もし~だったら”という表現でしたが、今回は”~になったから”となります。

そして、”優しさ”の意味を知るんです。

優しさを言葉で伝えるのは、愛を伝えるより難しいですよね。

愛しさは伝えきれなかったけど、優しさは伝えられたという主人公の成長を表しています。

ここからは、主人公から”あなた”への愛がさく裂します。

恋した日の胸騒ぎを 何気ない週末を
幼さ残るその声を 気の強いまなざしを
あなたを彩る全てを抱きしめて
ゆっくりと歩き出す

何もかも抱きしめて一緒に歩きだそう、という未来に向けたフレーズになります。

ここで注目したいのが、”あなた”に対する愛・やさしさを「愛・やさしさ」という言葉を一切使わずに表現していることです。

”言葉ではどうしても伝えることができなかった”ことがここにきて活きてきます。

アウトロ

最後は、イントロと同じこのフレーズで締めくくります。

やわらかな風が吹く この場所で

ここまでの解釈から、やわらかな風が吹く場所というのは、”あなた”がずっと待っていた主人公の地元ということがわかります。

HOWEVER|タイトルの意味

最後にタイトルについて解釈していきます。

HOWEVERは英語でよく使う、”しかしながら”という逆説の接続詞です。

同時に”どんなに~でも”という意味があります。

2番のAメロの”それでもどんなに離れていても~”のフレーズにつながってきます。

浮気したり、いろいろあったけど”やっぱり二人がいいね”というのをタイトルでも表現しています。

全体の解釈|まとめ

細かく解釈してきましたが、この曲はTAKUROが当時の彼女を想って作った曲であると言われています。

この解釈通りであれば、TAKUROが上京し、彼女は地元の函館に居る、という状況が想像できます。

GLAYが上京し、デビューしてからヒット曲が出ずにいた時期を支えたのがこの”あなた”だったのではないでしょうか。

そしてヒット曲を連発し始め、GLAYが自分たちのキャパシティを超えてきた、だからもうやめて函館に帰ろうかな、という葛藤の中で生まれた曲かもしれないですね。

今回は、以上です。

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