はじめに:突然の「レゴを鼻に入れた!」に焦るママ・パパへ
「えっ!?鼻にレゴ入れたの!?」
3歳くらいの子どもを育てていると、こんな場面に遭遇することがあります。
最初はびっくりして、どうしてそんなことを…?と困惑する方も多いでしょう。
実は「レゴを鼻に入れる」「豆やビーズを入れる」といった行動は、
発達心理学的には“よくあることです。
この記事では、
3歳児がなぜレゴを鼻に入れてしまうのか、その心理的背景・発達上の意味・対処法・予防策をやさしく解説していきます。
【発達段階から見る】3歳児は「自分で試したい」お年ごろ
3歳は“実験期”のピーク
3歳ごろの子どもは、「自分でやってみたい!」という気持ちが急激に育ちます。
スプーンを持ちたがったり、服を自分で着たがったり。
なんでも「自分で!」が口ぐせになる時期です。
そんな中で現れるのが、
「これ入るかな?」
「どうなるのかな?」
という実験的な行動。
つまり、鼻にレゴを入れるのは、
「鼻という穴に物を入れたらどうなるのか」という実験行動の一種なのです。
【心理的な理由①】“穴”への興味と感覚への好奇心
3歳児は、目・耳・鼻・口といった体の穴に興味を持ち始めます。
「ここは何をするところ?」「どんな感覚があるの?」
そんな素朴な疑問を“体で確かめる”のが子どものやり方です。
鼻の中に小さなものを入れると、
- くすぐったい
- 詰まる感覚がある
- 息がしにくくなる
など、感覚的な変化を感じられるため、
子どもにとってはちょっとした「刺激的な体験」になってしまいます。
【心理的な理由②】レゴの形やサイズが“ちょうどいい”
レゴブロック(特にクラシックなど小さいパーツ)は、
3歳児の手先でも扱えるサイズ感です。
特に丸い部分や角のないパーツは、
「鼻の穴にちょうど入りそう」という感覚を誘発します。
子どもの世界では、
- 穴に物を入れる
- 積む、はめる、くっつける
といった行為は遊びの一部。
つまり、「鼻に入れること」も本人にとっては
「ブロックをはめる遊び」の延長線上にあるのです。
【心理的な理由③】大人の反応を試している
3歳は社会性が発達してくる時期。
ママやパパの表情をよく見て、反応を確かめるようになります。
「鼻にレゴを入れたら、ママがびっくりした!」
「怒った顔になった!」
そんな反応が強い印象として残ると、
「もう一回やったらどうなるかな?」と繰り返すこともあります。
つまり、これは「関心を引くための行動」でもあります。
【心理的な理由④】「口に入れたらダメ」=じゃあ鼻は?
3歳になると、保護者から「口に入れちゃダメ!」とよく注意されます。
しかし、子どもは「鼻に入れてはダメ」とはまだ教えられていないことが多く、
「口がダメなら鼻ならいい?」とルールのすき間を試す行動を取ることがあります。
これは、社会的ルールを理解する過程の一部。
決して反抗心からではなく、
「どこまでがOKなのか」を学んでいる段階なのです。
【発達の特徴】手先が器用になり、“細かい操作”ができるように
3歳になると、指先の発達が進み、
小さなブロックをつまむ・組み立てるといった細かい動作が上手になります。
それと同時に、「小さなものを扱える」ようになったことが、
危険行動を誘発する要因にもなります。
つまり、発達の進歩が原因で起きる「発達的リスク」なのです。
【現実的なエピソード】「レゴを鼻に入れた」ママたちの声
実際にSNSや育児相談では、こんな声が多く見られます。
- 「気づいたら鼻にピンクのレゴが!」
- 「鼻を触ってるなと思ったら…」
- 「泣きながら“とれない~!”って言われてびっくりした」
どのママも共通して言うのは、
「まさかうちの子がやるとは思わなかった」ということ。
それだけ“突然”起こるものなのです。
【対処法】もし3歳児がレゴを鼻に入れてしまったら?
1. 無理に取り出さない!
焦ってピンセットなどで取ろうとすると、
奥に押し込んでしまう危険があります。
まずは落ち着いて、外から見える位置かどうかを確認しましょう。
2. 片方の鼻を押さえて「フンッ」と出してみる(できる場合のみ)
3歳児が「鼻をかむ」動作ができるなら、
片方の鼻を押さえて「フンッ」と出させる方法があります。
ただし、うまく出せない・痛がる場合は無理をしないでください。
3. すぐに耳鼻科を受診する
小児耳鼻科では、専用の吸引器具で安全に取り出せます。
自宅で無理にいじるより、早めの受診が最も安全です。
【危険性】放置するとどうなるの?
鼻に異物が残ったままにすると、
- 鼻づまり
- 血の混じった鼻水
- 片側だけ臭いが強い鼻水
などの症状が出ることがあります。
異物が時間とともに炎症を起こすため、
「気づいたら取る」ではなく、即受診が基本です。
【予防策】二度と繰り返さないためにできること
1. 小さなパーツは子どもの目の届かないところへ
レゴクラシックなどの細かいブロックは、
3歳未満の子どもには推奨されていません。
遊ぶときは、必ず見守りながら。
「小さいものはお口にもお鼻にも入れないよ」と
やさしく繰り返し伝えましょう。
2. レゴデュプロなど“大きめサイズ”を選ぶ
3歳児には、飲み込みや鼻に入れる危険が少ない
デュプロシリーズがおすすめです。
手のひらサイズで扱いやすく、誤飲リスクも低減します。
3. 「入れる場所」を安全に満たしてあげる
鼻や口に物を入れるのは、「入れる」という行為自体が楽しいから。
その欲求を、安全な遊びで満たすのが効果的です。
- 穴に棒を差す知育玩具
- 積み木やパズル
- 型はめブロック
これらで「はめる・入れる・通す」体験を満たすと、
危険な行動は自然と減っていきます。
【叱るよりも寄り添う】「どうしてそうしたの?」を聞いてあげよう
鼻にレゴを入れたとき、つい怒ってしまいがちですが、
叱るよりも「どうして入れたの?」と気持ちを受け止めることが大切です。
- 「入るかなと思ったのね」
- 「痛かったね、びっくりしたね」
と共感することで、
子どもは安心して「もうやらない」と学ぶことができます。
まとめ
3歳児がレゴを鼻に入れるのは、
悪いことをしようとしたわけではなく、
**成長の中で自然に出てくる「実験行動」です。
危険ではありますが、
- 好奇心が育っている証拠
- 自分の体に興味を持つ段階
でもあります。
ママ・パパが「安全な実験の場」を用意してあげることで、
子どもの好奇心は健やかに伸びていきます。
ポイント | 内容 |
---|---|
なぜ鼻に入れるの? | 好奇心・実験欲・大人の反応を試すため |
危険性 | 炎症・鼻づまり・異物残留のリスク |
対処法 | 無理に取らず、耳鼻科を受診 |
予防策 | 小さいパーツを避ける、安全な“はめる遊び”を用意 |
寄り添い方 | 叱らずに気持ちを受け止める |
【コラム】「好奇心」を上手に育てる3つのヒント
- **「ダメ!」より「こうしようね」**で伝える
- 成功体験を積ませる(できた!をたくさん経験)
- 遊びの中で感覚を安全に満たす
こうした積み重ねが、
「危険な実験」ではなく「安全な探求」へとつながっていきます。
🌟さいごに
「レゴを鼻に入れた」という出来事は、
大人にとっては冷や汗ものですが、
子どもにとっては「成長の途中での通過点」です。
ママ・パパが落ち着いて対応し、
その後に「なぜいけないのか」をやさしく教えてあげることで、
同じことを繰り返す可能性はぐっと減ります。
子どもの「知りたい!」を大切に、
安全な環境で見守ってあげましょう。